住宅ローン減税の再編が進む今こそ“補助に頼る会社”から脱却すべき理由
執筆:清水大悟(清水英雄事務所株式会社 代表取締役/住生活産業コンサル)

住宅ローン減税や住宅取得支援制度が再び注目されています。物価高や将来不安を背景に「支援強化」は今後もしばらく続くと見られますが、ここで重要なのは「また制度が変わるから備えよう」という話ではありません。
減税や補助金があっても売れる会社と、
減税の話をしなければ売れない会社。
その差がこれから鮮明になっていくのです。
制度の変化に合わせて対応するだけでは、もう不十分です。
今こそ、補助金や税制に依存しない提案価値をつくる必要があります。
【第1章】
税制は追い風にもなり、依存リスクにもなります
(物価高の今は“両面で作用”しています)
住宅取得支援制度は、いつの時代も一定の効果があります。
特に物価高局面では、顧客の心理負担をやわらげる効果は大きくなります。
一方で、「補助があるから買う」「なくなったら様子を見る」という、制度依存型の購買行動を生みやすくなります。
つまり今後は
●制度が動くたびに営業が振り回される会社
と
●制度が変わっても価値で選ばれる会社
に分かれていきます。
前者にとどまるか、後者へ抜け出せるか。
2025〜26年はその分岐点になります。
【第2章】
“補助ありきの提案”は通用しなくなっています
(制度を説明できるだけではプロではありません)
住宅ローン減税は、この20年間で拡充・延長が繰り返されてきました。
控除枠、所得要件、性能要件、期間──
これらの制度変遷を理解していることは、プロとして当然です。
しかし問題は、
補助金や減税の説明が“提案の中心”になってしまう会社が多いことです。
その時点で、顧客からは
「制度を売りにする会社=訪問販売レベル」
と見なされてしまいます。
制度は使いこなすものであって、頼るものではありません。
求められるのは
●制度があっても
●制度が変わっても
説得力のある提案ができる住宅会社です。
【第3章】
「補助なしでも選ばれる住宅」には条件があります
(提案価値の再定義が必要です)
補助がなくても選ばれる住宅には共通点があります。
・ランニングコストまで説明できる
・資産価値が落ちない理由がある
・災害・停電などの不安に対応できる
・エネルギーコストを抑制できる
・住宅性能と思想が言語化されている
単なる「高性能住宅」とは異なり
「暮らしの価値」「お金の価値」「将来価値」の
三位一体で語れる住宅です。
ここまで提案できる会社は、
減税の有無に関係なく選ばれています。
【第4章】
制度に“翻弄される側”ではなく“活用できる側”へ
(準備している会社が強くなります)
制度の動向は追うものではなく、
準備して待ち受けるものです。
そのために必要なのは:
・補助金を「なくても語れる提案軸」を持つ
・住宅価値を金額換算し、比較できるようにする
・税制説明は“付加情報”として扱えるようにする
・改正タイミングで既存客へ自動発信できる体制
・金融・FP・資産価値の話を営業設計に組み込む
ここまで整えている会社は、制度変更が来るほど強くなります。
【まとめ】
住宅ローン減税や補助政策は、これからも続くでしょう。
しかし、それは住宅会社にとっての“永続的な追い風”ではありません。
制度説明しかできない会社は選ばれなくなり、
制度の有無に関係なく提案できる会社だけが残っていきます。
清水英雄事務所では、制度動向の整理だけでなく
・価値提案の再構築
・営業トークの言語化
・制度に左右されない設計思想
を含めた支援を行っています。
補助があってもなくても勝てる会社へ。
今、その転換点が来ています。