元請崩壊時代の現実!!!! 流通店は「選ばれる側」に残れるのか⁉

執筆:清水大悟(清水英雄事務所株式会社 代表取締役/住生活産業コンサル)

流通店は「これからどんな未来を選ぶのか」を
いよいよ明確にしなければならない局面に入りました。

今、住宅業界全体が直面しているのは
コストの高騰、人材不足、そしてそれにともなう業務の逼迫です。
この2つの問題は“単発の出来事”ではなく
構造変化として長期に続く可能性が高いものです。

とくに影響を大きく受けるのが工務店です。
原価上昇への対応が追いつかず
利益の確保・維持がますます難しくなっていく企業が確実に増えます。
すでに現場ではその兆候が出始めており
これまでのように「元請としてお客様と直接向き合う」ことが難しくなり
ビルダーや不動産会社の下請的な立ち位置に切り替えざるを得ないケースが
徐々に増えてきています。

ここで起こるのは、
“商流そのものが変わる”という現実です。

ビルダーや不動産会社が主導権を持つようになると、
材料は「指定支給型」へと流れが傾きます。


工務店は、材料を自由に選択する立場から、
「支給された材料で工事する」立場に変わっていく。

*重要*
これは流通店にとって、単なる売上問題ではなく
「そもそも仕入先候補から外される」という大きなリスクに直結します。


工務店・流通店ともに“役割の再定義”が求められる

工務店が「工事会社として生きる」という舵を切るのであれば、
そこには明確な覚悟が必要です。

・短工期
・省施工
・工事の標準化
・施工の効率最大化

これらに本気で取り組まなければ、
価格競争と効率競争の波に呑まれてしまいます。

一方で、流通店も同じように
これまでとは異なる役割を担っていくことが求められます。

ただ“物を供給する存在”としてではなく、場合によっては

・元請として窓口を担い
・工務店をパートナーとして束ね
・ビルダーや不動産会社に対して「工事一式」で価値を提供する

という、まったく新しい立ち位置に踏み込む可能性が出てきます。 さらにもう一歩踏み込むなら、
流通店自身がエンドユーザーとの接点を持ち、
規格住宅などの商品化や営業の役割を担っていく未来も
十分に現実的な選択肢になりつつあります


「情報力」が分岐点を決める

これからの数年で、
情報力の弱い流通店は淘汰される可能性が高くなります。

工務店が流通店やプレカット会社を切り替える際
実際に判断されているのは次の3つです。

・お金(価格・条件・取引の合理性)
・情報(将来の制度対応・市場変化への読み)
・サポート(現場支援・営業支援・業務改善支援)

つまり
「揃っている」「対応できる」だけでは不十分で
“未来に向けて一緒に進んでいけるかどうか”
ここが明確な判断軸になっていきます。


流通店は「どんな未来を選ぶのか」

流通店には、いま明確な選択が求められています。

・誰のために、どんな役割を担うのか
・商流の中で、どのポジションを取りに行くのか
・価格だけでなく、何で選ばれる存在になるのか

これを先送りにすれば、
商流の変化の波は必ず“外側”から決定されます。
しかし逆に言えば、いま意思決定し、準備を始める流通店には、
これまでにはなかった新たなチャンスも生まれていきます。 私たちは今後も、
流通店・工務店・ビルダーそれぞれが
“次の時代に生き残るための現実解”を、
できるだけ具体的にお伝えしていきたいと考えています。


そして次回は・・・
この流れに大きく影響を与えるテーマとして、「BIMが、流通事業をどう変えていくのか」について取り上げていきます。

BIMは設計や建築の話だけではありません。
商流、役割分担、価値の基準……
流通事業そのものの在り方にも大きな変化を及ぼしていく可能性があります。

次回、少し踏み込んで整理していきたいと思います。