ヨーロッパは「住宅の省エネ」ではなく「社会のエネルギー設計」に入っている
― その中でフィンランドの2035年はなぜ別格なのか ―

ヨーロッパの脱炭素は「都市とエネルギーの統合」から進んでいる

ヨーロッパ各国の脱炭素政策は、住宅単体の省エネ性能ではなく、都市・交通・産業・住宅を一体で設計する「社会のエネルギー設計」として進んでいます。

再生可能エネルギーの導入だけでなく、地域単位でのエネルギー供給、都市の廃熱利用、電化、ヒートポンプ、データ連携といった要素を組み合わせ、エネルギーを“街のインフラ”として再構築しているのが特徴です。

各国のカーボンニュートラル目標が示す政策スピード

各国の目標年を比較すると、政策スピードの差が明確になります。
ドイツは2045年、フランスは2050年にカーボンニュートラルを掲げているのに対し、フィンランドは2035年と10年以上早い。
この差は単なる目標年の違いではなく、都市計画、エネルギーインフラ、建築規制の整備スピードとして現れています。

ヨーロッパ各地のエネルギー施策事例

ヨーロッパではすでに、エネルギーを都市単位で最適化する仕組みが各地で実装されています。
デンマークやスウェーデンでは地域熱供給(地域暖房)が広く普及し、バイオマス、廃熱、ヒートポンプなどを組み合わせて住宅や公共施設に供給しています。
スウェーデン・マルメでは、太陽光・風力・廃熱・データセンターなどを統合するエネルギー管理システムにより、街全体のエネルギーを最適制御。
オランダ・アルメーレでは、太陽熱や地熱を活用した地域熱供給やエネルギー自立型の住宅街区が整備されており、住宅とエネルギーが一体化した街づくりが進んでいます。

共通しているのは、住宅単体ではなく「街区・都市単位でエネルギーを設計する」という考え方です。

フィンランドのエネルギー政策の特徴

フィンランドは2035年カーボンニュートラルを国家目標として掲げ、エネルギー政策と都市計画を一体で進めています。
石炭などの化石燃料からヒートポンプ、バイオマス、廃熱利用へと熱源を転換し、地域熱供給を高度化しながら電化と再生可能エネルギーを統合しています。
ヘルシンキでは石炭火力による熱供給からの転換が進み、タンペレでも2030年カーボンニュートラルに向けた都市単位のエネルギー施策が進行しています。

エネルギーは住宅設備ではなく、都市の骨格として再設計されているのです。

住宅・建築に関わる制度と設計思想

フィンランドの住宅・建築分野では、断熱性能や一次エネルギー消費の基準、エネルギー計算義務、ライフサイクル評価といった制度と、都市のエネルギーインフラが連動しています。
住宅は単体で完結するのではなく、都市のエネルギーシステムの一部として設計される前提になっています。

視察で確認するべきポイント

今回の視察(→https://au-shimizu.co.jp/information/3598)では、住宅のデザインや性能だけでなく、地域熱供給の仕組み、都市とエネルギーの関係、公共施設との連携、街区単位の設計思想といった点を確認することで、「社会のエネルギー設計」がどのように実装されているのかを体感することができます。

最後に

正直なところ、エネルギーの設備や技術そのものを細かく理解することが目的ではないと思っています。大事なのは、「社会としてどういう前提で設計されているのか」を現地で体感することです。

日本ではこれから議論されていく内容が、すでに社会として実装されている状態を見ることで、住宅会社としてこれから何を考えるべきかが一気に具体化します。

言葉や資料では分からない“前提の違い”を体で理解すること、それがこの視察の一番の価値だと考えています。

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