住宅業界の転換期に必要な「自社分析・自社改革」

執筆:山本知史(清水英雄事務所株式会社 ディレクター/住生活産業×医療・介護視点コンサルタント)

■住宅業界はいま、大きな転換期に入っています

いま住宅業界では、4号改正・ZEH基準対応に加え、2027年のGX-ZEHスタート、さらに2027~2028年に向けた新給湯器・新エアコン時代への対応など、これまでとは違う前提で事業を考える必要が出てきています。

これからの住宅事業者に求められるのは、こうした変化を単なる制度対応として受け止めるのではなく、自社の事業全体を見直すきっかけとして捉えることです。

■見直すべきなのは、法対応だけではありません

これから問われるのは、「基準に対応しているか」だけではありません。

どう提案するか、どう集客するか、どんな事業スタイルで市場に向き合うかまで含めた見直しが必要です。

従来と同じやり方の延長ではなく、時代に合った事業改革が求められています。

■動画でも全体像を解説しています

こうした変化については、YouTube動画でも解説しています。
文章だけでは伝えきれない全体像をつかみたい方は、ぜひ動画もあわせてご覧ください。

■市場に答えがある

これからの事業を考えるうえで重要なのは、自社の都合だけで商品や営業を考えるのではなく、市場が何を求めているかに目を向けることです。

いま必要なのは、時代に合った商品や提案を組み立てる視点です。

規格住宅時代の商品化、ライフスタイル提案、空間演出、照明提案など、住宅会社が提供すべき価値は、単に家を建てることにとどまらなくなっています。

■「自社商圏をどう見るか」も重要になります

今後は、新築だけを見るのではなく、自社の商圏で何が起きているのか、どんな困りごとがあるのかを把握したうえで、事業の方向性を考える必要があります。

ストック市場はどうなっていくのか、自社商圏の高齢化率はどうか、市場の困りごとは何か。

そうした視点で地域を見直すことが、自社分析の重要な出発点になります。

■商品提案も、より細かく考える時代へ

これからの住宅事業では、「誰に、何を、どんな形で提案するか」を、これまで以上に具体的に設計しなければなりません。

住宅商品だけでなく、世代別商品、シニア世代向け商品、在宅介護時代を見据えた商品、さらにストック市場に向けた新たな事業展開まで、提案の幅を広げていく必要があります。

住宅会社にとっては、商品そのものだけでなく、提案対象や市場ごとの打ち出し方まで含めて再構築することが重要になります。

■高齢化は、新しい事業テーマを生み出します

高齢化が進む中で、これからは「介護施設に入れない」「病院にも入れない」「自宅で療養する」という場面が増えていく可能性があります。

そうした時代には、在宅介護・在宅医療に対応する住宅が重要なテーマになります。

バリアフリー設計はもちろん、太陽光発電・蓄電池などのレジリエンス設備、空調・給湯・通信といった快適性を支える機器まで含めて、住まいの提案内容そのものが変わっていきます。

これは住宅会社にとって、新たなビジネスチャンスにもなり得ます。

■自社分析・自社改革が、次の一手をつくる

これからの住宅業界では、変化を受け身で追うだけではなく、自社分析を通じて「自社は何を強みにし、どこに向かうのか」を整理できる会社が強くなっていきます。

法改正への対応、提案力の見直し、集客方法の再構築、新築以外の市場への対応、高齢化を見据えた新たな商品や事業の検討…

こうしたテーマをばらばらに考えるのではなく、自社改革としてつなげていくことが、これからのビジネスチャンスにつながります。