情報の偏りに気づく

デジタル技術の発達

2023年7月4日総務省より令和5年版情報通信白書が発表されました。
デジタル技術が発達して情報通信インフラが発展し、時空を超えて、言葉を超える量の情報を交換し、膨大なデータを処理できるようになってきています。まさに新たなステージに立っていて、
可能性が大きく広がるとともに、未知のリスクもあります。
この膨大な情報化社会の中で、私たちは何に気を付ければいいのか、それに対する対策などをご紹介致します。

令和5年情報通信白書

今回発表の情報通信白書の中には、ICT市場の動向、加速するデータ流通とデータ利活用などが書かれていました。
その中でも、新時代に求められる強靱・健全なデータ流通社会の実現に向けての中にインターネット上特に(SNS)などでの誤情報や情報の偏りが上げられていました。膨大な情報の濁流に身をまかせていると偏りになかなか気づきにくくなっているのも事実です。

①エコーチェンバー現象

自分と似た意見にばかり触れてしまうようになる(エコーチェンバー現象)
「エコーチェンバー現象」とは、ソーシャルメディアを利用する際に、自分と似た興味関心を持つユーザーばかりをフォローする結果、似た情報ばかりが行き交う状況を「閉じた小部屋(共鳴室)で音が反響する物理現象」に例えたものです。

エコーチェンバー対策

  • 自分と異なる意見の人と交流する
  • さまざまなメディアから情報を収集する
  • 自分の意見を客観的に見つめ直す
  • メタ認知能力を高める
  • 安易な情報に飛びつかず、一次情報にアクセスする
  • 因果関係」と「相関関係」の違いを理解し、誤った解釈をしない

②フィルターバブル

自分好みの情報以外が自動的にはじかれてしまう(フィルターバブル)
「フィルターバブル」は、インターネットのアルゴリズムによって分析された情報ばかりに触れている状態を、一人ひとりが「情報の泡」に包まれていると表現した言葉です。「YouTubeで自分が興味のある関連動画ばかりを視聴すること」などが例として挙げられます。

フィルターバブル対策

・ブラウザ上で、履歴を残さない(シークレットモードに設定する)
・広告のカスタマイズをオフにするなど関連のサービスが出てこないように対策する必要があります

③確証バイアス

確証バイアスとは、自分の信念や意見を支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のことです。
確証バイアスは、認知バイアスの一種であり、誰もが持っているものです。
確証バイアスは、以下のような場面で現れます。

  • 自分の考えが正しいと信じ込んで、反対意見に耳を貸さない
  • 自分の意見に反する情報は、見逃したり、忘れてしまったりする
  • 自分の意見を支持する情報は、過大評価してしまう

エコーチェンバー対策

  • 自分と異なる意見の人と交流する
  • さまざまなメディアから情報を収集する
  • 自分の意見を客観的に見つめ直す
  • メタ認知能力を高める
  • 安易な情報に飛びつかず、一次情報にアクセスする
  • 因果関係」と「相関関係」の違いを理解し、誤った解釈をしない

①メタ認知能力

メタ認知とは、「自分が物事を認知している状態を、客観的に認知している状態」を指します。

物事を客観的に俯瞰できる人は、冷静な判断力を持ち合わせている傾向が強く、良好な人間関係を構築しやすいといえます。物事を分析できる人は、たとえ失敗したとしても改善に向けたPDCAサイクルの構築ができます。

②クリティカルシンキング

クリティカルシンキングとは批判的な思考のことを指します。
ここで大切なことは、批判の対象を自分にすることです。
つまりクリティカル・シンキングは、「健全な批判精神をもって、自身の考え方・常識・前提条件を客観視する思考法」なのです。

クリティカルシンキングの基本姿勢3つ
①目的は何かを常に意識する
②自他に思考のクセがあることを前提に考える
③問い続ける

自律型人材が生まれる環境を整える

予測がたたない時代だからこそ、自ら考えて行動する「自律型人材」を増やしていく必要があります。

ティール組織

このティール型組織をつくるには、組織としてのビジョンや目的、目標がはっきりとしていて、個人がそれに賛同しているため、上司が締め付けをし、細かく指導をしなくても、現場のメンバーが目標に合わせた思考と行動を取れる状態です。

自律型人材が生まれやす環境を整えていく為にも、事業改革の見直しや組織改革などの見直しが重要になってきます。

当社でも、ビジョン見直しや再構築、組織改革などのお問い合わせが増えています。変化の激しい時代だからこそ第三者の客観的なアドバイスや情報を取り入れてみることで組織の理想像に近づけると思います。

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