衰退する会社と成長する会社
今回、ここでは会社が陥りやすいマーケティングマイオピアについてご説明させて頂きます。
マーケティングマイオピア
マーケティングマイオピア(近視眼)とは、企業は自社の業界や製品に固執しすぎて、顧客のニーズや市場のトレンドを見逃すことで競争力を失い、成長の機会を逃してしまうとされています。
既存製品を中心に考える「製品志向」に極端に傾倒してしまい、「顧客志向」的な視点がおろそかになってしまう状態。です。
この考え方は、市場は拡大し続けるという幻想に捉われ事業改善などは全く考えていないケースが多いのです。
社会構造やライフスタイルの変化で需要は大きく変ります。住宅業界も同じです。なので常に市場の動きを注視し、顧客の声に耳を傾けることが大切です。
「経営陣」の誤解から生まれている場合も
マーケティングマイオピア陥る原因は
「市場の拡大が確実」なものと信じ切ってしまう
「主要製品に対する代替品が存在しない」と考えてしまう
「大量生産によるコスト優位性」に頼り切ってしまう
「研究開発・製品改善・製造コスト削減」に夢中になってしまう
このように自社の姿が客観的に見えていない状態です。
自社や業界の事業をどう捉えているか、マーケティングマイオピアに陥っているかどうかで、その後のビジネスの明暗は分かれてしまいます。
このようなマーケティングマイオピアに陥らない為にも、外部からの客観的視点なども必要になってきます。
更に、過去の事例もみていきましょう。
マーケティングマイオピアの事例
・鉄道業界
アメリカの鉄道業界は、モータリゼーションの進展や航空機による新しい移動インフラの整備によって、1960年代に大きく衰退しました。
レビット教授は鉄道業界が衰退したのは、マーケティングマイオピアに陥っていたからであるという分析を論文で展開しています。
要約すれば、鉄道業界は「鉄道事業」という限定されたビジネスの枠の中でしか、手を打てなかったということです。
顧客ニーズの本質が「鉄道の利用」ではなく「長距離の移動」であることを理解していれば、輸送事業という大きな発想のもとで手を打ち、
衰退を免れた可能性があります。
日本の鉄道業界は、草創期から鉄道だけに固執せずに沿線開発に取り組みました。駅周辺の不動産投資・駅前の百貨店を含む施設開発、バス事業、タクシー事業、観光事業などの関連するビジネスに積極的に進出したので、発展を遂げたのです。
・ハリウッド映画
レビット教授の論文で提示されている事例が1960年代ごろのハリウッド映画市場です。1950年頃テレビが家庭に普及したことで映画館への動員数が激減し、多くの映画館が閉館しました。
このとき、ハリウッド映画業界は自分たちを「映画事業」という狭い定義をしました。その結果、テレビを脅威とみなし、俳優をテレビに出演させないなどの妨害工作に終始し顧客の奪い合いを行いました。
しかし、顧客の視点から見れば、映画もテレビもエンターテインメントも一つに変わりありません。
もし、ハリウッド映画業界が自分たちを「エンターテイメント業界」と定義していれば、新たなビジネス展開ができたかもしれません。
・コダックのカメラ事業
コダックはアメリカでは、シャッターチャンスのことを「コダック・モーメント」とも呼ばれるほどカメラ・フィルム事業で圧倒的1位の企業でした。
しかし、2012年には破産を申請しました。
フィルム・カメラの大手コダックが破綻した理由もマーケティング・マイオピアと言われています。自社の製品のシェアが大きいフィルムや写真の現像に集中してしまい、デジタル化や新たな消費者トレンドについていけませんでした。
例えば、現在のSNSの先駆けともなる写真共有サイトを買収したり、デジタル写真印刷を促進するためにしか活用できなかったり、
デジタルカメラも開発していましたが、フィルムカメラと同様のクオリティにならなかったことから販売を取りやめにしたりなど既存製品、
サービスという狭い視野に囚われてしまいました。その結果、破綻することになります。
マーケティングマイオピア陥らない為には
マーケティングマイオピアの事例をご紹介してまいりましたが、
マーケティングマイオピアに陥らないためにはどうすればいいのか回避する4つの方法をご紹介します。
①企業中心から顧客中心志向へ(顧客の声に耳を傾ける)
自社の商品やサービスを提供する際に、消費者が何を求めているのかを理解し、それに応えることを心が大切です。
現在コロナ禍を経て、大きくライフスタイルが変化しました。自宅での仕事、自宅での運動、家の中で出来る事も増え、人々のライフスタイルが大きく変化ししました。その為生活導線も変化している為、この変化している生活に対応できるように、お客様に「耳を傾ける」「市場のトレンドを把握する」ことは非常に重要です。
②長期的なビジョンを持つ
長期的な視野を持つことが必要。
一時的なトレンドや利益の最大化にとらわれず、持続可能な競争優位性を持つ商品やブランドを築くことを考えましょう。
③市場のトレンドを把握する
常に市場のトレンドや競合他社の動向を把握することが重要です。
市場環境が変化する中で、新しいニーズや競争力を持つ商品やサービスが登場することがありますので、それらに対応するためにも情報収集を行いましょう。
④第三者視点を意識する(もしくは意見を貰う)
マーケティングマイオピアに陥る原因としては、市場や事業を「見誤っている状態」といえます。
これらの「見誤っている状態」を防ぐためにも、第三者からの意見や視点が非常に重要です。
業績が伸びず、視野が狭くなっている時こそマーケティングマイオピア(近視眼)に陥りやすい状態といえます。
このマーケティングマイオピア(近視眼)に陥らない為にも、常に顧客を満足させられる商品ニーズを考え、市場自体がどう動いているのかを考え捉えることが重要です。その際に、当社を利用していただきたいと思っています。